recaptcha3.inc.php †
名称 | スパム対策プラグイン |
---|---|
ファイル | recaptcha3.inc.php |
バージョン | 1.10 |
対象サーバー | PukiWiki 1.5.3 / PHP 7.4 / UTF-8 |
対象ブラウザー | Firefox, Chrome, Safari, Edge 各最新版 |
ライセンス | GPLv3 |
Google reCAPTCHA v3によりスパムを防ぐPukiWiki用プラグイン。
ページ編集・コメント投稿・ファイル添付など、PukiWiki標準の編集機能をスパムから守ります。reCAPTCHA v3は不審な送信者を学習により自動判定する不可視の防壁です。煩わしい文字入力をユーザーに要求せず、ウィキのユーザビリティーに影響しません。
追加ファイルはこのプラグインコードだけ。PukiWiki本体の変更も最小限にし、なるべく簡単に導入できるようにしています。が、そのための副作用としてJavaScriptを活用する高度な編集系サードパーティ製プラグインとは相性が悪いかもしれません。PukiWikiをほぼ素のままで運用し、手軽にスパム対策したいかた向けです。
バージョン1.1より、禁止語句によるスパム判定を追加しました。reCAPTCHAを使わず、禁止語句判定のみ用いることも可能です。
インストール †
以下の手順に沿ってPukiWikiに導入してください。
- recaptcha3.inc.phpをPukiWikiのpluginディレクトリに配置する。
- Google reCAPTCHA サイトでウィキのドメインを「reCAPTCHA v3」タイプで登録し、取得したサイトキー・シークレットキーを本プラグイン内の定数 PLUGIN_RECAPTCHA3_SITE_KEY, PLUGIN_RECAPTCHA3_SECRET_KEY に設定する。
- スキンファイルのほぼ末尾、</body> 閉じタグの直前に次のコードを挿入する*1。
<?php if (exist_plugin_convert('recaptcha3')) echo do_plugin_convert('recaptcha3'); // reCAPTCHA v3 plugin ?>
- ライブラリファイル lib/plugin.php の「function do_plugin_action($name)」関数内、「$retvar = call_user_func('plugin_' . $name . '_action');」行の直前(92行目あたり)に次のコードを挿入する。
if (exist_plugin_action('recaptcha3') && ($__v = call_user_func_array('plugin_recaptcha3_action', array($name))['body'])) die_message($__v); // reCAPTCHA v3 plugin
詳細 †
動作設定 †
コード内の下記の定数で動作を制御することができます。
定数名 | 値 | 既定値 | 意味 |
---|---|---|---|
PLUGIN_RECAPTCHA3_SITE_KEY | 文字列 | Google reCAPTCHA v3 サイトキー。空の場合、reCAPTCHA判定は実施されない | |
PLUGIN_RECAPTCHA3_SECRET_KEY | 文字列 | Google reCAPTCHA v3 シークレットキー。空の場合、reCAPTCHA判定は実施されない | |
PLUGIN_RECAPTCHA3_SCORE_THRESHOLD | 0.0~1.0 | 0.5 | スコア閾値(0.0~1.0)。reCAPTCHAによる判定スコアがこの値より低い送信者は拒否される |
PLUGIN_RECAPTCHA3_HIDE_BADGE | 0 or 1 | 1 | reCAPTCHAバッジを非表示にし、代替文言を出力する。Googleの規約によりバッジか文言どちらかの表示が必須 |
PLUGIN_RECAPTCHA3_API_TIMEOUT | 任意の数値 | 0 | reCAPTCHA APIタイムアウト時間(秒)。0なら無指定 |
PLUGIN_RECAPTCHA3_CENSORSHIP | 文字列 | 投稿禁止語句を表す正規表現 | |
PLUGIN_RECAPTCHA3_CHECK_REFERER | 0 or 1 | 0 | 1ならリファラーを参照し自サイト以外からの要求を拒否。信頼性が低いため非推奨、応急処置に用いる |
PLUGIN_RECAPTCHA3_ERR_STATUS | HTTPステータスコード | 403 | 拒否時に返すHTTPステータスコード |
PLUGIN_RECAPTCHA3_DISABLED | 0 or 1 | 0 | 1なら本プラグインを無効化 |
動作確認 †
本プラグインが正しく導入されていれば、ページ末尾に「This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.」との文言(定数設定によってはreCAPTCHAバッジ)が表示されます。この状態でページ編集やコメント投稿ができていれば正常です。
逆に拒否される場合を確認したければ、シークレットキーの値をわざと不正にしてみてください。その状態でページ編集などを試みると、403エラーとなるはずです(デフォルト設定の場合)。スパムに対する正しいテストケースではありませんが、少なくともプラグインが動作しreCAPTCHA APIと連絡していることは確かめられます。実際のスパム攻撃については、Google reCAPTCHAサイトの管理画面に統計が表示されます。スコア閾値調整の参考にもなります。
なお、本プラグインが正しく導入されていても、レガシーブラウザーでは常に編集に失敗するかもしれませんが、仕様(非対応)としてご了承ください。
スパム拒否の仕組み †
- ブラウザー側において、JavaScriptによってページ内のすべてのform要素を探しだし、submitボタンがクリックされたらreCAPTCHAトークンを取得して送信パラメーターに含めるよう細工する。
→ 副作用として、この細工がサードパーティ製プラグインの動作を邪魔する可能性がある - サーバー側において、受信したリクエストがPOSTメソッドかつ既知のプラグイン呼び出しなら次の判定を行う。
- パラメーターにreCAPTCHAトークンが含まれなければ、不正アクセスとみなしてリクエストを拒否する。
→ フォームを経ずに直接プラグインURLを叩く種類のロボットはすべてはじかれる - reCAPTCHA APIにトークンを送信し、応答スコアが閾値未満ならスパマーとみなしてリクエストを拒否する。
→ 機械的なフォーム操作や不審な送信元IPアドレスなどはスコアが低く、ここではじかれる
→ 学習も絡みスコア基準は曖昧だが、もし効果が薄い・または効き過ぎるといった問題があれば PLUGIN_RECAPTCHA3_SCORE_THRESHOLD 定数値を調整する
→ 手入力による散発的ないたずら書き込みの類いは、正当なユーザーと区別できずはじくことができない(極端に繰り返されれば学習されるかもしれないが) - 投稿禁止語句が設定されており、かつテキスト投稿を伴うプラグインであればその内容を判定
→ 特定の宣伝文句などを含むスパムをはじくことができる。URLを禁止するのが最も広範で効果的だが、不便にもなるので注意
- パラメーターにreCAPTCHAトークンが含まれなければ、不正アクセスとみなしてリクエストを拒否する。
高度な設定:対象プラグインの追加 †
本プラグインはデフォルトで、PukiWikiに標準添付の編集系プラグインのみをスパム判定の対象としています。具体的には次の通り。
article, attach, bugtrack, comment, edit, freeze, insert, loginform, memo, pcomment, rename, template, tracker, unfreeze, vote
スパムボットは標準プラグインを標的にすると考えられるため、一般的にはこれで十分なはずです。
しかし、もし特定のサードパーティ製プラグインを標的として攻撃されていたら、コード内の $targetPlugins 配列にそのプラグイン名を他行に倣って追加してください。
ただし上述した通り、プラグインの編集・投稿機能がPOSTメソッドのform要素かつsubmitボタンで送信する仕組みになっていないと効果がなく、処理内容による相性にも左右されます。
ご注意 †
- 標準プラグイン以外の動作確認はしていません。サードパーティ製プラグインによっては機能が妨げられる場合があります。
- JavaScriptが有効でないと動作しません。
- サーバーからreCAPTCHA APIへのアクセスにcURLを使用します。
- 閲覧専用(PKWK_READONLY が 1)のウィキにおいては本プラグインは何もしません。
default.ini.phpへの設定 †
本プラグインの定数設定(ファイル内の下記のような行)は、PukiWikiルートディレクトリにある標準設定ファイルdefault.ini.phpにも記述することができます。本プラグインの定数設定行をdefault.ini.phpの末尾にそのままコピーしてください。default.ini.php側の設定値が優先されます。
///////////////////////////////////////////////// // ○○プラグイン設定(○○.inc.php) if (!defined('PLUGIN_○○_×××)) define('PLUGIN_○○_×××', △);
設定をdefault.ini.phpに記述することで、プラグインをアップデート(ファイル上書き)するたびに値を書き直す必要がなくなります。また、設定がdefault.ini.phpに集中することで、運用中の設定管理も楽になります。
凡例 †
プラグインの引数は下記の書式で表現しています。
- [] … 省略でき必要に応じて記述します
- | … |で区切られた項目のうち1つを記述します
- {} … 中カッコ内の引数は任意の順序で記述できます
改版履歴 †
- バージョン1.0
- 初版
- バージョン1.1
- 投稿禁止語句判定を追加
- リファラー判定を追加
- form要素submitボタンのないページではreCAPTCHAライブラリーをロードしないよう最適化
- 拒否時に返すHTTPステータスコードの設定を追加
- コマンド呼び出しの返り値を変更。伴い、lib/plugin.phpへの挿入コードも変更